2006年04月18日

「美しい歳の重ね方・・・A着物」

マロニエのこみち・・・。


ところで着物で興味深いのは、
日本人の、ほとんどの洋服デザイナーが
やがて着物ブランドを立ち上げることである
そして、たまにご本人を、雑誌などで拝見すると
自社ブランドの着物に身を包み
パーティなどにご出席されている・・・

デザイナー自身が、ある程度、自分の洋服の地位を確立し
自分自身が着物に興味を持ち始める40半ばから50位の
人生の余裕ある時期に手がけられているような気がする

英国や、米国のトラディショナルファッションに、決まりごとが多いように、
ジャパニーズトラディショナルファッションである着物の世界も
負けないくらいに常識の世界がある・・・
四季のある日本ならではの、世界であるから奥が深く
従ってハマればハマるほどに、抜け出すことのできない
恐ろしく魅力的な世界となる

下着、襦袢、本体の着物、帯、紐類、髪飾り、
バッグ類、履物、根付の類、
あるいは羽織や、防寒や塵除けのコート、ショール類
そして香りに至るまで
かかわるアイテムが多い上に、その種類も多く
季節ごとにその種類を広げてゆくと、収拾のつかない世界となる
着ていることそれ自体が、いわば総合芸術のようなものである

デザイナーは、洋服の世界にかかわり、
洋服の温故知新を知った後の絶望を意識すると
故郷である日本に戻り、日本の温故知新の素晴らしさに出会ってしまう
それは、日本人として生まれたのだから、
ある意味、当然のことかもしれない・・・
面白いことに、着物は、日本人体型を、いかにも魅力的に見せてくれる
体型、歳にかかわらず、それ相応に、着方で素敵に見せられるから面白い・・・
ある程度の年齢になり、また、洋服が何か似合わない時期が来ると
外出の服に迷ったときなど、着物の方が簡単だったり、
安心だったりもするのである

また、着物を着ると、自然と所作や動作に気を使い
優雅な動きをするようになる
汚さないよう、転ばぬよう、普段は気にも留めないことが
気にかかったりするものである
いかに【がさつ】な女性でも、仕方なしにしおらしくなる

また、上手に着られるようになると、着て行く場所をどんどん広げたくなってしまう
お茶、お花の類を習ってみたり、歌舞伎や能の世界に親しんだり
四季をもっと知るために、俳句に親しんでみたり、舞踊を習ったり・・・
もっと面白い着物を着てみたいがために、和裁の世界に入ったりもする
延々と、終わりのない世界・・・
熱病にかかったようなものである・・・
知的好奇心の旺盛な人ほど、そんな熱病にかかりやすい

京都も、今、着物を着ている人は、お食事や観劇や、
タクシーや、宿泊が割引価格になるサービスを行っていたりして
日本人の着物離れ、伝統産業の復旧に全力を注いでいる
普段でも、着物を着ておられる団体によく出会う
が、しかし、素敵だと思う人が少ないのも、これまた事実・・・
やはり、着付けが一番重要である
そして、髪・・・これも大事
絹の、上質のものであればそれに越したことはないのだろうが
ウールでも、ポリエステルでも、着物に見合った帯や小物を合わせ
すっきりと髪をまとめていれば、
絹を纏って最悪の着付けや作法をしている人よりは
着物としての、事実上の格は下としても、
見た目の美しさ、人としての格が、数段も上に見える
着物を着ること、それは、その人の知性や品格を表すものでもあると思う

お婆ちゃんが、何気なく、普段着を着ている姿
昔の方の中で、一般教育をそれほど受けてなく、学歴の低い方でも
生活に必要な【教養】を身につけられた方の、どんなに多いことであるか・・・
味噌、漬物など、保存食の作り方から、着物の洗い張りや仕立て直しまで
現代人が知らないことを驚くほど熟知されている
いわば、おばあちゃんの智恵を持たれている

着物の着方にしても、そうなのだろう
お婆ちゃんが着物を着ると、普通の髪も、それなりにマッチしていて
なにか素敵なのである
私が絣や、紬姿に憧れるのは、生活に密着しているからである
柔らかいものを、専門の人に着付けて頂き、
イベントに参加するなら誰にでもできる
が、普段使いとなると、そうはいかない
あのさりげなさ・・・ぜひ、取得してみたい

着物・・・それは、知るのは大変、でも、知れば案外便利なもの
が、しかし、思わぬ墓穴を掘る材料になるものでもある
トラディショナルなものは、何の世界でも侮れない
が、しかし、これをクリアすると、女性としての価値は
間違いなく数段も上がるような気がする
かくゆう私なども、写真の頃は、熱病にかかっていたが
最近はトンとご無沙汰なので、
偉そうなことを書くと墓穴を掘りかねない・・・(退散!)



posted by マロニエのこみち・・・。 at 07:56| Comment(6) | TrackBack(0) | お洒落 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
少し前まで娘の成人式の振袖をレンタルすべく、何軒かそのようなお店を廻って感じたことがあります。
最近の流行なのか、振袖の柄の派手なことったら!!!
もちろん色なんかは昔からいろんな色があってそれなりに美しいって感じましたが、それより問題は柄なんです。
なんていったらいいのかな、下品・・・この一言につきます。
一面花だらけだったり、洋服じゃないんだから・・・。
地味にしろってことじゃなく、着物には着物の柄というか、モダンな柄でも着物にあったアレンジの仕方があると思うんですよね。
おかげさまで娘の気に入った振袖は無難な柄でしたが・・・(笑)
着物を洋服感覚にする必要があるのかなって、私は思っちゃいます。
今の時代にあったということなんでしょが、根本的に洋服と着物は違うものなんですから!
でも、着物って帯締めとか帯揚げ、半襟、はたまた帯・・・それらと着物との色や柄の取り合わせが、洋服の感覚ではちょっと変かもって思うような取り合わせでもそれがみごとにぴたっとくるところがすごいと思いませんか?
あれなんですよね、着物の不思議なとこって。
古典柄だけがいいって言うんじゃないんですが、あまりにもひどいのがありすぎて悲しくなりました。
これは私の愚痴ですから、聞き流してくださいませ。
Posted by スティービー at 2006年04月18日 14:01
スティービーさん

いえいえ・・・おっしゃっていること、とてもよくわかります
今日のコメント、120%、賛同します!!(笑)

最近の、京都の伝統産業の衰退・・・
その原因の一つに、海外での安価な染色があります
色だしは、勿論日本のメーカーがするのでしょうが
日本の伝統色の理解がいまいちできないのでしょう
色出しも、少し違います
それと、やたらにラメを使っているのも気になります
スティービーさんのようなセンスのお母様なら、問題はないのですが
選ばれる娘さんや、ついていかれるご父兄が、伝統色や着物のことに理解が薄いため
結局は、悲惨な品揃えとなっているのも事実だと思います

『無難な柄・・・』その中でしたら、それで、大正解だと思いますよ
目立てばいいって物じゃないですから・・・
おっしゃるとおり、そんな柄の方が、小物などの合わせ方で
引き立ちますし、品があります
また、気に入ったとても素敵な振袖は、眼が飛び出そうなくらい高価だったりして
こういう点も、いまいち普及しない原因かと思います

振袖をお作りになるのなら、色無地もお勧めです
帯や小物で、とても素敵になります
お嫁入りを意識して、色無地で振袖を一枚作っておかれるのは
賢い方法だと思いますよ
お仕立て直しが、できますから、いつまでも着られますよね^^

Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2006年04月18日 15:39
親戚に、遊び人の伯母がいて、この人がいつも着物でした。
娘時分に舞妓の世界に憧れて、猛反対する祖母を尻目に家を飛び出し、上七軒や祇園で舞妓や芸伎としてならした人で、着物の着こなし方(着くずし方、かな)が、映画やテレビの時代劇(明治大正の近代期の、という方が正確ですが)で見るようないかにも遊び人の女性のそれで、子供心にとても強烈な印象を持ったのを覚えています。

ボクが子供の頃に住んでいたのは西陣の下町で、まだ盛んな名残の残っていたころですから、いつも近所には機織りの音が響いていましたし、母親や祖母も友禅や臈纈染めの着物関係の内職などをしていて、家にはごく普通に着物の反物が転がっていたりしましたので、着物はとても身近なものでした。

最近、「粋」な着物の着こなしをされてる人を見ることはほとんどなくなりましたね。本質を見失って形骸化した様式の抜け殻もどきだけがやたら多くなっているのは、避けがたい宿命なのでしょうか。

すみません、重い話になりました。ご容赦を^^
Posted by 107 at 2006年04月18日 22:45
107さん

ありがとうございます!
とてもいい環境(いろんな意味で・爆笑)で、お育ちになられたのですね
でも、この伯母様に、107さんはよく似ておられるようです
なかなか愉快な方ですね

『本質を見失って形骸化した様式の抜け殻もどきだけが・・・』
かなり手厳しいご意見ですが、おっしゃるとおりだと思います
うちの主人なども、見るに耐えないような、集団を見ると
『【あっぱっぱ】でも着とったらええねん』とよく吐き捨てておりました(笑)
感性や、人となりが、洋服と同じくらい、あるいはそれ以上に出るものですから
伝統の文化とは、恐ろしいものですね
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2006年04月19日 10:41
こんばんは。昼間来て この上のお話を読んで
驚きました。そうだったんですか。
健気に明るく 頑張っていらっしゃるのは かわいい
お子様が お気持を支えていらっしゃるのでしょうね。

この写真が出る前に たくさんの写真の中の見返り美人を
「はよみな あきまへんえ〜!」って 15区の住人さんに
言っておいたら「見ました」って(ナムルの写真のコメントです。
マロニエのこみちさんが 書いてはらへんとこの記事どす。
あとで よんどくれやすな。)失礼しました。
本当は今夜は悲しいです。この頃 涙もろいから…。
Posted by もじずり草 at 2006年04月19日 23:50
もじずり草さん

ありがとうございます!
如何されましたか?
大丈夫ですよ 私達、皆、もじずり草さんが、好きですから・・・

あ・・・それはそうと・・・
えらいすんまへんどすな〜〜
えらい気ぃ、つこてもろて・・・
あれは、お見合い写真のつもりやおへんえ(笑)
15区の住人はん、ほんなこといわはったら、おそろしゅうなって
にげはりますがな もう、そ〜〜っとしておいておくれやすぅ〜〜
そやけど、もじずり草はん おおきにえ〜〜

って、ああ・・・しんど・・・(爆笑)
こういう言葉は、絶対使いませんからね〜〜(汗)
ほんとに、面白い方ですね
あんなもん、無理やり見せてどうするんですか〜〜(爆笑)
まあ、これからも、よろしくお願いいたします
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2006年04月20日 00:39
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