2009年03月01日

「極私的なレトロ東京物語…弥生美術館」

いよいよ目的の弥生美術館へ・・・
場所と環境、建物の雰囲気、そして企画の内容も
全て感性をくすぐられるものばかりで
東京に訪れたら素通りすることは出来ない
大切なスポットになってしまった

今回開催中の展覧会は、
昭和初期、彗星の如く現われて、挿絵界に旋風を巻き起こし
34歳で夭折した挿絵画家、小林秀恒

同館内にある竹久夢二美術館の夢二と華宵
隣接の立原道造記念館
私が乙女の頃から恋焦がれている人の作品ばかりが集約されていて
限られた時間内で観なければならないことが
いつも不満の材料になる

傘をたたんで美術館に入ろうとすると
ニャーニャーという可愛らしい猫の声が・・・
小雨に濡れながら入口の隣の植え込みの中に座り
こちらをじっと見ながら鳴いている
ふっくらとした可愛い三毛猫である
そのままゆっくりと石鉢の縁を歩き、水を飲みだした
夢二の黒猫を思い出した・・・

小林秀恒の上品な美男美女の絵、文献、写真の数々
短い期間に燃え尽きた輝かしく華やかな人生に思いを馳せる

最後に夢二美術館で開催中の【乙女に寄せるメッセージ】の
レトロ感溢れる素晴らしい文章を読んでいるとき
蓄音機型のプレーヤーから、【宵待ち草】の音色が低く流れた

平日の午後なので、部屋は他に中年の男性が一人だけ
館内は、微かにカサブランカの花を思わせるような
清潔な空調の香りが漂っている
木の床が静かにキシキシと鳴る
部屋を独占しているような贅沢さ
充足感に満たされる・・・

未だ入ることの出来ていない入口の【夢二カフェ・港や】
これは次回の楽しみに・・・と思いながら館を後にしようとすると
またさっきの三毛猫が鳴く

この猫は、人に慣れていないので
不用意に手を差し出すと、
引っ掻かれたり噛み付かれたりします

といった内容の張り紙がある
ふっくらとして毛並みもいいので
餌もちゃんと与えられているようだ
人とうまく距離をおきながらも自分にふさわしいここに
自分の仕事と居場所を見つけたのだろうか
雰囲気作りに十分一役かっていて
うまく共存している猫ちゃんである

今度訪れたときも迎えてくれるだろうか・・・
隣の白い壁の瀟洒でレトロなマンション
いつかゆっくり回りたい根津の町並、
更新館の周りのアパート
セツの近くの小さなハイツ

若い頃、出来なかった夢
東京で再びケイヨウと住み、セツに通い仕事をする
それも案外ありだなと、この猫を見、ふと思う・・・

お隣の立原道造記念館に行く
残念ながら、もう、時間がない
5時の新幹線には乗らなければ・・・
ぎりぎりの抵抗で、記念館の入口すぐのミュージアムで
道造のパステル画のハガキを買う
建築画のスケッチは、詩集の中でも見たけれど
色の付いたバステル、
それもこれだけの種類を目にしたのは初めてかも・・・
なんという私好みの絵なんだろう
好きな文を書かれる人の絵は、やはり好きな絵
嬉々としてハガキを購入し、今回はこれでなんとか欲望の虫を抑える

帰りは地下鉄千代田線、根津駅から御茶ノ水
そして東京駅へ・・・
ささやかな旅だったが、それなりに充足できた

京都に着き、JRで最寄り駅へ・・
こじんまりとした静かな京都
さっきの思いはまだありつつも、
いつもの街の穏やかさに、いつも以上の安らぎを感じた・・・



posted by マロニエのこみち・・・。 at 13:16| Comment(12) | TrackBack(0) | 小説風エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
弥生美術館 どこかで聞いたような・・・と思っていましたら、ネットで検索すると 竹久夢二と高畠華宵が出てきますね。それで聞いたことがあったのですね。 お二人とも私が知っている僅かな絵描きさんですから。小林秀恒は知りませんでした。絵に興味を持って日も浅いこともあって知らない人ばかりです。ネット仲間展ではみなさんよくご存知ですよね。お陰さまでその都度検索して勉強させていただいていますが・・・
小林秀恒は怪人二十面相の挿絵もされていたんですね。 挿絵にも興味がありますから行ってみたくなりました。
Posted by kei at 2009年03月02日 01:05
keiさん

こんにちは♪
こちらにもありがとうございます♪
そうでした!
怪人二十面相の挿絵もたくさん展示されていました
よろめき小説の方にばかり気が行っていて、完全に抜け落ちておりました
二十面相、すっごくよかったですよ!
基本、白黒の絵が多いのですが、keiさんもこのところモノトーンの絵をよく描かれていますし
人物もお好きだし、何より夢二の模写をされていたくらいですから
必ずやお気に召されると思います!!
そしてもしもお時間がありましたが、セット価格で入館できるお隣の立原道造記念館もお勧めです
建築家で詩人なのですが、あの建築のスケッチは、
keiさんのエンジニア精神を燻り、熱い血が騒ぐことと存じます♪
そしてパステル画、これは多分、ミュージアムのハガキ絵しかないかと思うのですが
目から鱗状態になられること間違いなしです〜〜♪
まるでkeiさんのためにご用意したような企画です 間違いなし!
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2009年03月02日 18:18
東京に来てたんやね〜!!
会いたかったわ、残念
またゆっくり時間がある時にお待ちしてるで

先週、幼稚園のバザーの生地を仕入れに日暮里に行ってきたよ
東京の問屋街だそうで・・・姉さんやったら知ってるかな?
この私が生地を24メートルもお買い上げ
今回は小学生グッズ担当です
また経過を報告します

Posted by 勝間南京 at 2009年03月02日 19:33
『馬ににんじん』状態じゃないですか!
こと絵に関しては 私は幸せですね。 みなさんに私好みの画家さんをいっぱい紹介してもらえて。 ありがとうございます。
Posted by kei at 2009年03月02日 23:14
勝間南京さん

まいど!
そうなのよ〜〜
連絡しようと思ったけれど、ゆっくり会えそうもないので断念しました(涙
日暮里、この美術館の路線なんで、本当はそのまままっすぐ行きたかったんだけど
時間が足りませんでした〜(;
私も一度行ってみたいところですわ
ところで24メーターって、まさか担いで帰ってないよね(爆
もしも無理やったらいつでも言うてや〜〜(^^v
ミシンで指縫わないように頑張ってね^^
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2009年03月03日 09:52
keiさん

おはようございます〜♪
ほんと、皆様、お詳しいので勉強になりますね!
>『馬ににんじん』
もしかして、午年でしょうか〜
それとも馬面だったりして・・・(爆
今度、木村さんに訊いてみよっと(笑
また感想聞かせてくださいね
ありがとうございます〜♪
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2009年03月03日 09:55
マロニエさん こんばんは〜〜
充実した東京散歩紀行、楽しませていただきました。
けいよう君の優秀賞受賞、おめでとうございました。
さすが芸術家のDNA、「ママかっこいい!」の時のように
被写体を優しく見つめて撮影しているのでしょうね。

ところでkei様、ドキドキするほどステキな方ですよ、馬面では決してありません。
折角おいでくださったのに、たまたま、混み合ってしまって、
お見送りも記念のお写真も撮れなかったのが、残念!!でした。
「大きなバイクでカッコよかったぞ」と夫の弁でした。
又会場からお二人に「くしゃみの素」を発信します。



Posted by とうもろこしのpiro at 2009年03月03日 19:49
とうもろこしのpiroさん
ドキドキ 知らない人が聞いたら本気にしますよぉ〜
マロニエさんは 馬面がお好みらしいですから!(爆!)
ご主人に見られていましたか! 帰り支度をしているところは寒さ対策でとても人に見せられる状態ではなかったです!
そうですね 写真の一枚も撮ってないなんて・・・ piroさんのお話しにすっかり引き込まれてしまって忘れてました。
Posted by kei at 2009年03月04日 00:10
とうもろこしのpiro さん

こんばんは♪
なんだかどたばたでなかなかメールができません(;
学校で色んな取り組みをしてくださるのでありがたいです^^
keiさん、そうですか〜〜♪
どんな方なんでしょ 想像が膨らみますね
ご主人様もしっかりチェックされているのですね(笑
展覧会、最後までお忙しいと思いますがどうぞお体お気をつけください♪
ありがとうございます!
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2009年03月05日 18:54
keiさん

こんばんは♪
そうなんですね
やはりイケメンだそうじゃないですか〜〜♪
ほんと、馬面でないことが残念にございます(爆
ありますあります・・
写真撮っとけば・・・と思うこと
でも、そういう時程、充実した時間だったりするんですよね^^
いつもありがとうございます♪
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2009年03月05日 18:57
弥生の三毛ちゃん。
hanakoにも載りました。

せんじつ亡くなりました。
いい子でした。
Posted by midori at 2009年12月01日 01:29
midori さん

はじめまして
お知らせ頂きありがとうございました
そうだったのですか・・
寂しいですね
もうお年だったのでしょうか
弥生美術館 ネコで検索したらたくさん記事が出てきました
夢二や華宵を好きな人たちからも愛されていたのですね
ご冥福を祈ります・・(合掌)
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2009年12月01日 11:12
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。