2010年03月08日

「書道にまつわる・・・A」


もう一人、熱心に書道の練習をしていたのは
クラスで学級委員をしていた人気者のSちゃん

どの学校や職場に入ってもそうなのだけれど
その場所で一番偉かったり人気者だったりする人が
向こうから声をかけて下さり、
何故かその人と一番好きなことでライバルになったり
お互いに刺激しあったり共感したりするのが
これまでの私の不思議なポジショニングだった

この時代もまさしくそうで、当時、一番親しかったのがSちゃんであり
時々は家に行って遊んだりしつつ
もっとうまくなろう、先生に褒めて頂こうと
お互い負けじとばかりに必死で書道の練習をした
どんな不純な動機で始めたとしても、結果がどうであったとしても
その時代、精一杯何かに取り組んだ記憶は
後になって自分自身を愛おしく思えるものだ

……絵にしても、例えば好きな佐伯祐三の黒のラインや
殺風景な下落合の街に走る電線棒、無粋な電線の類
あるいは、同じく傾倒する長沢セツ氏の、
自由闊達な線に恍惚感を覚えるのは、他ならぬ線フェチのせいである
その感覚は、多分、この頃に没頭した書道のせいであるともいえる

……書道といえば、好きだったのは、NHK講座
よく観ていた当時は、大好きな榊莫山先生が講師だった
太い筆にたっぷりと墨を含ませて、大らかに流れるような書や絵は
その人格の大きさを表しているかのようだった

その後に講師をされていたあの素敵な先生・・・
確か、ずっと前に故人となられてしまったはずだけれど
なんと言うお名前だったのか、失念してしまった・・・
姥桜という呼び名がぴったりするような
枯れた味わいのある美しい老女で
いつも白っぽい御着物にタスキ掛けで字を書かれていた
江戸弁なのか、粋な言葉や動作が書とぴったり重なる憧れの女性だった

……筆と遠ざかってしまった後も、年賀状の宛名だけは、筆で書いた
勤めていた会社の人だけで数十人はいた当時も
全て筆書きをしていたら、出張や外回りのふとした折、
私の年賀状のことが、時折話題になるので驚いてしまった
パソコンが主流の昨今、珍しいからか、
毎年それが楽しみだと言う人が思いがけず何人もいたのである
そんなことを聞いてしまったら、別段上手くもない字など
やめようと思っていてもやめるわけにもいかず
結局のところ、今日まで続いているが、私は筆圧がとても弱いので
ペン書きよりは、まだ筆のほうが、腕も疲れないし
幾分かはマシに見える(ホントカナ・;)ということもあったりするのだ

……そういえば、牡丹の咲く季節が一番好きな建仁寺へ
今年こそは行ってみたいと思っている
ダウン症の書道家として話題になっている金澤翔子さんの
建仁寺展が今年も開催されるそうなのである
あの有名な風神雷神の絵の横に奉納されたという
風神雷神の書は、常設なのだろうか
最近四条まで出る機会があまりないのだけれど
ぜひとも実物を拝見したいと思う

いつかTVで拝見した金澤さんの姿・・・
仏様に『お父様だ』と手を合わされていた
無垢な心が映し出された美しい涙が忘れられない・・・



posted by マロニエのこみち・・・。 at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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