2012年09月07日

「命の選択」

8月29日、毎日新聞のニュースより・・・

妊婦の血液だけで、胎児にダウン症などの染色体異常があるかを99%の精度で調べる米国の会社が開発した新型の出生前診断を、国内の2病院が来月から試験的に開始することが分かった。流産の危険があった従来の検査に比べ、安全に調べることができる一方、異常が見つかれば安易な人工妊娠中絶にもつながることから、カウンセリング体制の整備などが課題になりそうだ。

 検査を始めるのは国立成育医療研究センター(東京)と昭和大学病院(同)で、いずれも臨床研究として行う。対象は胎児の染色体異常のリスクが高まる35歳以上の妊婦などで、費用は21万円程度を予定している。日本人での検査の精度を調べるとともに、専門医によるカウンセリングのあり方を検証し、この検査が国内に普及した場合の課題やモデルケースを探る。31日に2病院や今後導入を検討している病院の医師らが研究会を発足させる。


出生前診断には、羊水検査が以前からあったけれど、
その検査とは、染色体異常をみつけるもので、
染色体異常の中では最も多いダウン症が、
主にその検査の標的になっていたわけです
この検査のことが話題になるたび、いわゆる障害にはあらゆる種類があるのに
なんで、ダウン症だけが、このような検査によって見つけられ
命を絶たれてしまうことになるのだろうと、いつも理不尽さを感じていました

例えば仮に、その検査は陰性で、ダウン症ではなかったとしましょう
でも、その後、その胎児に障害がなく生まれてくる可能性はゼロなのでしょうか?
未熟児で、後遺症の出る子供もいます
あるいは出産時に、へその緒が首に巻きつき、障害が残る場合もあります
また、生まれたときにはわからなくても、
生後数ヶ月、あるいは数年後に、わかる性質のものもあります
あるいは、ある年齢まで健常でも、事故や病気で、健常ではなくなる可能性は
どんな人にも、私にも、貴方にもあるわけで・・・

ダウン症の場合、重い合併症を持っていない限り
殆ど健常者と変わらないほど、健康な場合も多いし
知的レベルも人さまざま
時間はかかっても、きちんと療育やサポートをすれば
日常生活は普通に近い状態で送っている人もたくさんいます
どのハンディキャップもそうですが、中には特殊な才能を持ち、
また、それを育てることのできる能力を持っている子もいます
染色体異常だけを、出産前検査で排除しても
それより重度のハンディを背負っている可能性は、充分にあるのです

今回の新しい検査の場合、費用は21万円・・・
どうしても障害児は産みたくないので、検査はしたい
でも、その費用がなくてできなかった
結果、ダウン症の子が生まれました
でも、子供は可愛いから育てたい・・・となれば結果オーライですが
あのときに、検査ができなかったから・・・と後悔することになれば
その子供はいったいどうなるんでしょうか?
この検査がもっと普及すれば、もっと費用は安くなるかもしれません
そうなれば、もっと簡単に、命の選択をする親が増えてくるのです

この前、NHKの【つるかめ助産院】を観ているとき
中絶をしようとするヒロインが泣いていました

「赤ちゃんできたのに、なんで泣いてるの?」
とケイヨウが訊きました
「赤ちゃん、欲しくないんだって」
「なんで欲しくないの?何で?」
「人には色んな事情があるから、赤ちゃん産まないお母さんもいるんよ。
生む前に殺してしまうの。
もしかしたら、ケイヨウも、お母さんが産みたくないと思っていたら
今、いなかったかもしれへんよ」
というと、そんなことがあるのかと驚いたようで
「そんなん嫌や!」
と強い口調で彼ははっきり言いました
「ケイヨウは、ママが産んでくれてよかった?楽しい?」
と訊くと
「うん。よかった。楽しい。ママ、産んでくれてありがとう」
と、天使のように笑いながら、ケイヨウはそう言いました

まさか、こんな会話をすることがあるなんて・・・
こんなことも、わかるようになるなんて、感動というよりは驚きました
そして、この子は、今、間違いなく自分の人生を生きて楽しんでいる
その手ごたえは、とても有難いものでした

人にも、国にも、色んな事情があることはわかりますが
できればこういう研究はして欲しくない
それよりも、先生方、染色体を正常にする・・否、全ての病気の元を正常にする
そんな研究をしてもらえませんでしょうか?
でも、だからといって、ダウン症を否定しているわけではありません
たまたまこうして出会ったわが子は可愛いのです
わが子というよりも、一人の人間として、わりと客観的に見ていますが
なかなか個性の強い、ユニークな存在です
見ていて飽きない、好きなキャラなんです
大切な命を、その子の未来を、研究という名で潰さないで・・

そういえば、こういう話も聞いて驚きました
今の若い親たちは、祖父母のお葬式などに、立ち合わせない人が多いのだとか・・
理由は、子供がショックを受けるから・・・
死んだ姿を見せるのは可哀相だから・・・なのだとか・・・

今、あの大津の事件以来、いじめ問題がまた取りざたされています
命の大切さや、虐めと遊びの区別、
力加減のわからない子供が増えているようです
クラス全員が主役でないと、不公平
徒競走は、能力の近い子供を一緒に走らせ、できれば順位はつけないように・・
競争をさせない教育、これらも同じくとても不思議・・・
こんなことをしていたら、社会に出たとき、
いったいこの子はどうなるんでしょう?
ハングリー精神なんて、もはや今は死語ですか?

私自身も、実際、先日のノアールの火葬の際には、
骨になった姿を見せるべきか否か・・・少しだけ悩みました
でも、結局、見せることにしました
火傷でもすると困るので、骨拾いはさせませんでしたが
全て終わるまで、傍に居させました
ケイヨウは、驚きショックも受けたようですが
命の大切さや、避けては通れない自然の摂理を学ぶ
いいきっかけになったと思います

昨年の、ルーシーのときは、死んでしまったといえなくて
ルーシーは、ずっと眠っているから・・と教えましたが
ルーシーが本当はもう帰ってこないこと
ノアールも、同じところに行ったこと
そこは天国というところだということ・・・等
私は教えてもいないのに、彼はちゃんと知っていました
TVなのか本なのか、人との関わりの中で覚えたのかわかりませんが
親が知らないうちに、彼はちゃんと成長していたのです
これにも私は驚きました
ケイヨウが、死のことを知ったように、私は生きることを
改めて知ったように思います

しかしながら、嫌なことはできるだけ経験させずに通り過ぎるだけの風潮は
果たして本当に正しいのでしょうか?
どんなことにも、まともに向き合う機会を与えなければ
決して順風満帆ではない人生の荒波を、乗り越えることなどできるのでしょうか?
昭和な時代に育った私には理解できません

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・・・ノアちゃんの命の灯が消えるまで
しっかり寄り添ってくれました
ありがとね・・ケイヨウ



posted by マロニエのこみち・・・。 at 00:08| Comment(4) | TrackBack(0) | ニュースにまつわる・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大変お久しぶりです。

実は私は4月から無職で、暇だったので、次の著作の文章を作っていました。
要するに、物質的な生活に追われてごまかしていた私に対して、天が、
「お前は怠けている」
「やることをやれ」
と言っているのだと思います。
それも目途がついて、9月から細々と派遣の講師をやっています。

マロニエ様も、悲しい出来事があり、ケイヨウ君のことでもいろいろと悩みがあることと思います。
私は、苦しみや悲しみを乗り越えて成長するのは、地球人として生まれた宿命だと受け止めています。

笑わないで聞いてください。
プレアデス星では、胎児に奇形や異常が見つかった場合には、その場でつぶしてしまうそうです。
地球人の倫理からすれば非人道的に思えるかもしれませんが、生まれた後の本人や周りの者の苦しみを考えれば、むしろそのほうが人道的だというのです。
さらに彼らから見れば、そういうことを言う地球人が、平気で殺人を犯したり止めどない戦争を引き起こしているのが滑稽なのだそうです。
ただ、ダウン症の子供については、古代インカ帝国でも、神性が宿っているとして崇められたといいますし、よくわかりません。

ともあれ、私たちは地球に生まれました。
ここは霊的な罪人や重病人を抱える貴重な星だともいえます。
「人身受け難し」
良くとれば、霊的成長を遂げるまたとない機会です。
また、子供の頃に経験させる競争意識や優越感や劣等感は、地上生活の厳しさに耐えられるようにする免疫や黒錆に当たるものでしょう。
そして苦しみを愛に変えることができれば、地球人としての一生は大成功だと思います。

ただ一つ。
「神は耐え得るだけの苦しみをその人に与える」
などと教会の人たちがよく言いますが、それはどうかと思います。
事実、苦しみに耐えられなくて自殺し、余計に課題を作ってしまう人もたくさんいるからです。

医学の進歩により、障害児を生まないようにするというのは、課題を分散させ確実に霊的進化するという意味なのかもしれません。
ですから、そこは微妙なところなのです。

今度の私の作品は、以上のような精神世界の要素が色濃くなっています。
参考になれば幸いです。
Posted by ハイパー煌一治 at 2012年09月07日 23:41
ハイパー煌一治さん

こんにちは
なかなかコメントのし辛い記事だと思いながら投稿しましたが
頂戴できてうれしいです
ありがとうございます^^
私は100%文科系で、感覚だけで生きている人間なので、
なかなか物事を論理的に分析したり、考えたり表現したりができないのですが
こうしていつも、ハイパー煌一治さんのお話を伺うと
とてもわかりやすくてスムーズに納得できます
前に頂いたご著書も、知らない方の本なら表題を見ただけで通り過ぎてしまうと思うのですが
なかなか難しい内容ながら、わかりやすい文章で私にも理解できたような気がしました
次回の出版物も楽しみですね
また完成したら教えて下さい

>耐え得るだけの苦しみをその人に与える
おっしゃるように、ここ10年以上、年間の自殺者が3万人越えの日本では
そのように思いますよね・・・
生きていくための力が今の日本人には不足している
そんなことも感じます
この『苦しみ』とは意味合いが違いますが、ハンディキャップの子供が
親を選んでくるという説は、かなりの確立で信じられるというのが私の考えです
極稀に、神様も子供も選択を間違ってしまうこともあるようですが
選ばれた親、特にお母さんは、私の周りでも、納得できてしまう
ある意味何か超越したユニークな方が多いようです(笑
新しいお仕事、頑張って下さいね^^
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2012年09月10日 10:55
お久しぶりです。
何日かぶりにブログを拝見して、ノアールちゃんのことも読みました。適切な言葉が出てこないのですが納得のいくお見送りをされたこととお察し致します。
ほんとうにいつから何でも「同じ」であることが「良し」とされてきたのでしょう?
努力せず、練習もせず、オリンピックに出ることができるでしょうか?何もせず、皆「東大」に入れてもらえるのでしょうか?って聞かれたら答えはすぐ分かるはず。
最近はせっかく広島へ修学旅行に行っても原爆資料館へ入りたがらない子がいるそうで(怖いから、とか気持ち悪いから、という理由から)
そして、教師はそれを容認して、入らない子は別室でまっているのだとか。何のために広島を訪れてるわけ?
また、それを「うちの子はナイーブだから・・・」と語る親も見ました。マロニエさんの書いている内容に対するコメントとはちょっとずれてるんですけど・・・「命」とか「死」とかそういうものに向き合う姿勢をきちんと教えてほしい、教えないといけないと思います。

Posted by トマト at 2012年09月30日 23:58
トマトさん

こんにちは
いつもありがとうございます
いえ、本当に、おっしゃっておられること、同感です
私も中学の旅行で原爆資料館へ行きましたが
正直、怖い、気持ち悪いは、言葉は全く適切ではありませんが実感でした
でも、絶対に、おこしてはならない大切なことを
身に沁みて感じることのできる貴重な体験だったと思います
教師も親も、おかしいですね・・
それに、行く学校も減っていると聞きました
ディズニーと資料館、どちらへ行くことが大切なのか・・・
当たり前にわかると思うのですが・・
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2012年10月01日 12:57
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