2013年01月08日

「秋〜の読書と挿絵にまつわる・・・E」

引き続き、読書熱が続いています

本など読まずに、溜まっている仕事を片付ければよさそうなものですが
とにかく今年の冬は寒すぎて、エアコンだけでは手先も凍り
全く仕事になりません・・・
秋口、検討した石油ストーブを、やはり購入したほうがよかったかも・・

とにかく一刻も早く布団に潜り込んでしまおうと思っても寝るのも惜しく
子供の冬休み中、早起きをしなくてよかったので
つい夜更かしで、本を読むことが続いていましたが
どうもそのサイクルに慣れてしまい、昨夜もその前日も、
子供に付き合って早く布団に入ったまではよかったのですが
ものの二時間もしたら目が覚めて、結局眠れないので
深夜、また本を開き、しかもお腹が空き過ぎて耐えられず
結局は飲み物や、軽い夜食をとってしまうという悪循環・・
早くここから抜け出さなくてはなりません・・・;;

読んだ本も悪かったのかも・・
石井好子さんの本を続けて三冊
今日はそのご紹介です

まずは、女ひとりの巴里ぐらし (河出文庫)

他に何かなかったのかと、表題がいまいちな気もするのですが
本の内容は興味深く素晴らしいもので
昭和28年5月2日〜翌年4月30日まで
作者がパリ、モンマルトルの【ナチュリスト】というキャバレーのレビュで
歌われていた頃の思い出話を中心に綴られた作品・・
この本には、お腹が空くような食べ物の話は殆どなく
以前、こちらで書いた

『着飾ってナイトクラブから出てくる人々や、街の兄(あん)ちゃんたち、
花売り、娼婦たちのゆきかうのを眺めながら・・・』

など、パリの裏町のキャバレーの、華々しい舞台裏で繰り広げられる
ダンサーやマヌカン、女給、芸人などといった人たちの
陰影に満ちたリアルな生活が、哀歓溢れる巧みな筆で描かれています

DSCF2003.JPG

随分レトロで重厚な表紙だと思ったら、荻須高徳さんでした
カバーのデザインは、佐々木暁さん
帯&見開きに書かれた単行本の袖文から引用した文章も、
三島由紀夫氏と、格調高く豪華です

文中には、古いシャンソンの歌詞もたくさん引用されていて
それらの曲を聴きながら読み進むのも、
更にロマンティックでまたよし・・

魅力的な表題の付いた章に分けられていて
キャバレーとの契約が切れ、共に暮らした楽屋から
各々が旅立ってゆく作品最後の【夜明けのパリ】
センチメンタルな冒頭の【女の部屋】
歴史的ドキュメントとも言わしめた【パリで一番のお尻】など特に秀逸


次は、●私の小さなたからものと●バタをひとさじ、玉子を3コ

先の【女ひとりの巴里ぐらし】は河出文庫で、
こちら二冊も、同じく河出書房新書ですが
前回記事の漱石の本にしても、河出の本は、さりげなく装丁に凝っていて
文庫のフクロウのマークといい、こだわりを感じ、とてもお洒落ですね
DSCF1998.JPG

DSCF2001.JPG

こうして並べると、古書で買った【私の小さなたからもの】の帯が
何色だったのかと気になるところですが
イメージとしては、多分ピンクでしょうか・・

どちらも二枚カバーのような凝った作りで、
イラストも装丁もイメージが統一され、
本の内容に合ったカラーが使われています
文庫と同じく、デザインは佐々木暁さん
文中にも登場する線描きの可愛いイラストは、佐々木美穂さん

さて、内容ですが、たからもの・・の方は、タイトルどおり
石井好子さんの大切な宝物とされる人、モノ、動物、出会いなどが
ロマンティックな表題と短文で綴られています

キャバレーのお客様でもあった、藤田嗣治さんの子供のデッサン、
ハンブルグの絵皿、益田義信さんのミモザの絵、中川一政さんの表札、
銀のレモン絞り、銀のスプーン、楽譜、ティーセットは写真があります
他の素敵なモノたちの写真もぜひ見たかったと強く思うのですが
あれこれ空想するのもまたよし・・ということでしょうか・・
筆者の品のよい趣味や、飾らない性格、交流の幅広さや深さが垣間見れて
溜息混じりでうっとりしてしまいます

つい先日、たまたま、女優の寺島しのぶさんが、
藤田嗣治のアトリエなどを紀行されている番組を観たので
映像がよりリアルにイメージできて興味深かったです

【バタをひとさじ、玉子を3コ】は、
巴里の空の下・・を超えるような美味しい話題のてんこ盛りで
まさしく夜中に起きて読むには、かなり辛い状況の本でした(^^;

本来、バタ、生クリーム、粉、チーズたっぷりのお料理は
それほど好みでもないのですが、
それでも食べてみたい、作ってみたい・・と思うような
レシピもたくさん載っています
他、古いお店の話題や、食、歌などにまつわる思い出話も満載
【女ひとりの・・】の中の秀逸作【パリで一番のお尻】は
こちらにも収録されています

ちょっと面白かったのは、ご自身が開くことになったお店
『メゾン・ド・フランス』のことを
控えめに紹介されている項なのですが

レストランを開くと友達に言ったら「オムレツを出すの?」と、
十人が十人まで言ったのには驚いた。
『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』という随筆を書いて以来、
私はまるでオムレツ屋のように思われているようだ。
それならやはりと、オムレツもメニューに入れた。


というところで、筆者ならずとも、思わず苦笑してしまう
その他の本の中でも、石井さんは、オムレツとの因縁?について
当惑気味の文章を書かれてはいるものの
ここでオムレツなんて決して出さないわ・・などとヘソを曲げず
レシピまで公開されているところに、人柄のよさや、懐の深さ、
ユーモアまでを感じて思わず笑いを誘われました

二冊とも、最後に、石井さんの秘書をされていた、
矢野智子さんのあとがきが載せられていて
先生と書かれた敬慕に溢れた控えめな文章に、思わず目頭が潤んでしまった・・

posted by マロニエのこみち・・・。 at 10:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
【バタをひとさじ、玉子を3コ】なんだかおいしそう。何が出来るのかな?
いい匂いのするオムレツ・・どんな味でしょう。考えるだけでおいしそう!
デミグラスソースも無性に食べたくなったりしませんか?
最近の洋食屋さんのデミは昔と違って何故か美味しいんですよね。
これも進化してるのかな??子どもの頃は苦手でしたけど。

いい匂いがしてきそうな本。探してみようかな。

あ、昔ながらの石油ストーブはしっかり暖まりますよ。
やかんかけたりして、昔っぽく使ってます!便利!


Posted by lilac at 2013年01月10日 14:40
lilac さん

おはようございます♪
コメントありがとうございます!

この本、ホント、夜に読むと困りますよ(笑
オムレツも他の料理も、作りたくなるようなレシピがたくさん・・
デミグラスシチューの簡単な作り方も、確か載っていたと思いますけど
石井さんの作り方は、あまり神経質でなくて
普通の家庭料理の感じが敷居が高くなくていい感じです

石油ストーブ、そうなんです!
まさしくそんな使い方がしたくて・・
やかんにお餅に、煮込みモノに・・・
いいなぁぁぁ・・・
いつかそんなこと、したいです^^
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2013年01月11日 10:16
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