2015年09月28日

「過去ログより・・・芸術の秋、そして一枚の絵のこと」

秋ですねぇ・・・
昨夜は、月が綺麗でした
ケイヨウがさっそく月をカメラに収めようとしたのですが
イメージと違う仕上がりに・・・


「サンタさんに、いいレンズをプレゼントしてほしい」
だそうで・・・
何故かというと、一眼レフをくれたのはサンタさん
サンタさんとは、もちろん私のこと;
一眼レフといっても、一番安いタイプですが・・・;;
ちなみに彼は、まだサンタさんを信じています
サンタさん、がんばります(汗;



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さて、来月は、土日、ほとんど埋まるくらい、秋の行事が目白押しです
学校も、発表会の準備に忙しいようで・・・

これは、ケイヨウが保育園時代
もう、11年も前に書いた、懐かしい日記から・・・


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2004/11/25「芸術の秋、そして一枚の絵のこと」



保育園に通う子供が、今、作品展の作品を作っている

牛乳パックや容器の蓋などを使ったり
散歩で拾った松ぼっくりに絵の具で色を付けている
両手で筆を使い、終了時間が来ても止めようとしないらしい

将来は、山下清か岡本太郎、棟方志功のような
ゲイジュツカになるのだろうか・・・
馬鹿親は勝手にこんなことを夢想している・・・



かつて私も、美術、国語、音楽だけは中高通し
常に5段階評価5という、完璧な文科系人間だった

スポーツは苦手だったが、剣道だけは性に合い、
授業を終えると図書館に行き
山本有三、福永武彦、伊藤整などを借り
そのまま武道館で、誰よりも早く素振りを始めた

同じく熱中して読んだ、司馬遼太郎の小説で例えるならば
新撰組の、井上源三郎のような、不器用だけれど稽古が好きで
なぜか実戦には強い・・・というタイプの剣で、意外に早く初段も取得した


稽古を終え、帰宅すると
風呂の火焚きをしながら借りた本を読み
食後は二階の北に面した隙間風が寒い部屋で
小さな電気ストーブに手を温めながら
トップギャランのLPレコードをBGMに
所属している美術部には馴染めないので顔を出さず
一人で芸術展の絵を描くという
割と内省的な趣味を持った、少し妙な高校生だった


入賞した絵などが文化祭で展示されたとき、クラスの男子に呼び出された
ダボダボのズボンを履き、数人で廊下にタムロしている
不良グループの一人である

大抵の女生徒は、怖がってその廊下を避けていたけれど
癪に障るので、いつも私は知らん顔で通り過ぎていたから
多分そのことをあれこれ言われるのではないだろうか・・・



・・・チンピラめ、怖くないぞ・・・


と、指定の場所に行くと
グループの長のような存在の別の男子が待っていた

当時流行っていたジョン・トラボルタを真似て
ポーカーフェイスで上手に踊るのを教室で見たことがある
鼻筋の通った神経質そうな整った顔立ちや 、痩せぎすの骨ばった体は
ある種不気味で私もさすがにたじろいだ



・・・・数秒間の沈黙の後・・・

『あの・・・お前のあの絵、欲しいんやけど・・・』


あの絵とは、京都の寺庭の紅葉を描いた 水彩の点描画のことだった

あまりに意外な言葉と、はにかんだような真剣な表情に
私はすっかり調子が狂ってしまった


『え・・そんなこと言われても・・・』
『売ってくれるか?それならええか?』
『え・・あの・・』
『いくらなら譲ってくれる?』
『え・・・あの・・・・・・1万円・・』


その頃の私の価値観での1万円は、今の10万円位に値しただろうか
もちろん売る気などなかったので、 あてずっぽで口から出た言葉だった


『え・・そうか〜・・・1万円か・・・高いなあ・・』



彼は恥ずかしそうに、ボソボソと口の中で呟くと
そのまま後ろを向き、すごすごと行ってしまった

多分彼の金銭感覚も、私と同じだったのだろう
私はとても悪いことをしてしまった気がして
絵を気に入ってくれたことも嬉かっただけに
日常に戻ってからもそのことが気になって
何度かあの絵、あげる・・と、言いたくなる衝動に駆られたけれど
結局言い出せないまま年を越し、梅の季節が来て
卒業式を迎えてしまった



あの絵は引越しのときに処分してしまい
あのときの彼も今、いったい何をしているのか
私は知らない・・・


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posted by マロニエのこみち・・・。 at 12:29| 京都 ☀| Comment(0) | 思い出話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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